第8回受賞者

高木賞

*先生のご所属は、ご応募当時となります。

氏名・所属/研究題名/研究概要 助成金額
川崎 洋(理化学研究所 上級研究員) 500万円
アトピー性皮膚炎におけるバイオマーカーを活用した精密医療実現のための診療システム開発研究
アトピー性皮膚炎治療は分子標的治療薬の登場により寛解導入に至る症例が増えた一方で、治療抵抗性や有害事象を示す症例が明らかになるとともに、寛解維持を継続するためにこれらの治療をいつまで実施すべきかという点は、多くの皮膚科医の悩みである。本研究では、全身治療薬の選択や全身治療継続の必要性や治療間隔の調整に資するバイオマーカーの検討と全身治療薬投与後の日常生活中の症状推移のリアルワールドデータの収集を実施し、これらのデータを統合解析することにより、臨床現場で薬剤選択、治療継続の判断、投与のタイミングを判断するのに有用なバイオマーカー候補の同定とそれを活用した診療スタイルの提案を行う。バイオマーカーを活用し治療選択や治療の継続の是非に応用する精密医療の実現は、不必要な医療コストを削減しつつ最大限の治療効果を発揮することにつながると考えられるため、臨床的・社会的意義は大きい。
乃村 俊史(筑波大学 教授) 500万円
変異SERPINB7の細胞外分泌不全に着目した長島型掌蹠角化症の病態解明
長島型掌蹠角化症の病因はSERPINB7変異であるが、変異が本症を引き起こす分子機構は未だに解明されていない。そのような中、応募者は予備実験において、SERPINB7(セリンプロテアーゼインヒビター)が糖鎖修飾を受けることで細胞外に分泌されること、および、変異SERPINB7の一部が細胞外分泌障害をきたすことを見出した。そこで本研究では、「SERPINB7の細胞外分泌障害により細胞外のセリンプロテアーゼが過剰に働くことが長島型掌蹠角化症の主病態である」という仮説を立て、既報告の全変異体について、(1) 細胞外分泌能の評価、(2) 糖鎖修飾の詳細の解明、(3) 変異SERPINB7の分解機構の解明、(4) ヒト皮膚におけるSERPINB7の細胞外分泌の証明、(5) リードスルー治療における1アミノ酸変異体の機能評価を行うことで、SERPINB7の機能や本症の病態を解明し、新規治療の可能性を探索したい。
石塚 洋典(大阪大学 特任講師) 250万円
皮膚免疫の「Niche factor」としてのロリクリン
獲得免疫は外界と生体の境界にある上皮組織に始まるが、表皮抗原処理機構に関する理解は未だ初期段階である。申請者は定住するLangerhans細胞とT細胞が媒介する獲得免疫反応が、表皮微小環境の構造によって支配されることを発見した。本研究の目的は“Structural imprinting”という作業仮説に基づいて、上皮による新たな組織反応の制御機構を解明することにある。Loricrinの発現低下は多くの免疫介在性皮膚疾患と関連するが、その病的意義は不明である。本研究は、アトピー性皮膚炎や紫外線誘発性の免疫抑制/発癌などにおいて、Loricrinが獲得免疫の分化制御にどのように関与するかを明らかにする。本研究は皮膚透過性バリアの理解を深め、新規外用薬開発の可能性を示唆し、皮膚疾患の治療改善と患者の生活の質向上への貢献が期待される。
猪爪 隆史(千葉大学 教授) 250万円
白斑組織内と腫瘍組織内におけるメラノサイト抗原特異的T細胞の制御機構の相違の解明
皮膚の自己免疫疾患における免疫抑制療法は自己反応性T細胞のみを抑制できず、感染症のリスクを上げる。一方で腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害薬は腫瘍反応性T細胞のみを活性化できず、副作用として自己免疫を起こす。いずれも患者予後、QOL、医療経済におけるデメリットが大きい。解決のためには自己反応性T細胞と腫瘍反応性T細胞を別々に制御するための研究が重要だが、認識抗原の違いや技術の問題で実現しなかった。本研究では治療後に白斑を生じたメラノーマ症例の腫瘍と白斑を材料として、メラノサイト抗原に反応するT細胞クローンについて白斑内(正常組織)、腫瘍組織内、末梢血内それぞれにおけるフェノタイプの違いを1細胞RNA解析によって網羅的に解明し、それぞれの環境に特異的な制御因子を探索する。最終的には副作用の少ない自己免疫治療とがん免疫療法の治療標的を同定することが目的である。
澤田 雄宇(産業医科大学 教授) 250万円
細菌由来の短鎖脂肪酸を介したレジデントメモリーT細胞を焦点としたエピジェネティクスによる炎症制御機構の解明
慢性的な炎症を繰り返す炎症性皮膚疾患を根源的に治癒する方法は依然としてない状況である。近年皮膚レジデントメモリーT細胞が繰り返す炎症の火付け役として注目を浴びている一方でその制御機構は明らかとなっていない。後天的に発症する炎症性皮膚疾患のメカニズムを考えると、外的要因を介した後天的なエピジェネティック修飾を介した影響は、皮膚に長期間局在する皮膚レジデントメモリーT細胞の特性から、最も影響を受けやすい免疫細胞であると想定されるが、その影響は現在までに明らかとなっていない。本研究では皮膚に常在する細菌由来の短鎖脂肪酸が皮膚レジデントメモリーT細胞のエピジェネティック修飾を介した制御機構による影響を明らかにすることで、後天的なエピジェネティック修飾における炎症性皮膚疾患発症のメカニズムを解明し、将来的には根源的な炎症性疾患の治癒を目指した治療法の開発へ繋げる事を目指す。
種瀬 啓士(東邦大学医療センター 准教授) 250万円
悪性黒色腫細胞およびその腫瘍微小周囲環境の相互作用が腫瘍の浸潤・転移能獲得に及ぼす影響の解析と原発性悪性黒色腫の転移予測因子の探索
悪性黒色腫は原発巣で腫瘍の真皮内浸潤が深まるほど転移の確率が高まる。しかし、浸潤が浅くても転移を来す症例は少なからず存在するため、腫瘍の浸潤・転移能を分子生物学的に予測し得る指標の確立が望まれる。本研究では腫瘍細胞と周囲組織の相互作用である「腫瘍微小周囲環境」に着目し、この課題の解決を目指す。申請者は悪性黒色腫の転移性病変においてMacrophage migration inhibitory factor(MIF)と受容体であるCD74の反応(MIF-CD74シグナル)の活性化が悪性度の高い腫瘍微小周囲環境を形成することを報告している。同シグナルが原発巣では腫瘍細胞の浸潤・転移を促進させるという仮説のもと、三次元培養を用いた悪性黒色腫の真皮内浸潤モデルに対してシグナルの活性化や阻害実験を行い、その生物学的な意義を検討する。また、本検討でMIF-CD74シグナルが腫瘍細胞の浸潤に寄与する条件下で同シグナルに関連して発現する遺伝子を探索し、転移や予後を予測するバイオマーカーとしての有用性を検討する。
中原 剛士(九州大学 教授) 250万円
アトピー性皮膚炎における細胞外ATPを介した細胞間相互作用の解析と治療応用
アトピー性皮膚炎(AD)は、皮膚のバリア機能障害・炎症・かゆみが複雑に絡み合って病態が形成されるが、AD皮膚において、表皮細胞、免疫細胞、神経細胞、線維芽細胞などの各種細胞がどのように相互作用して病態を形成・維持しているかはまだまだ不明な点も多い。皮膚は周囲環境の様々な刺激に常時さらされているが、様々な物理的刺激、化学的刺激により、皮膚においてATPが細胞外に放出され、その細胞外ATPが情報伝達物質として働くことが徐々に知られるようになってきている。そこで本研究では、ADのバリア機能障害・炎症・かゆみにおける各細胞間相互作用での細胞外ATPの役割を解析し、様々な臨床経過や病型、皮疹ごとの細胞外ATPの役割や、細胞外ATPをターゲットにしたAD治療の可能性を明らかにすることで、全く新しいADの病態理解・治療アプローチを確立することを目的とする。
福島 聡(熊本大学 教授) 250万円
腫瘍微小環境の制御を目指したiPS細胞由来マクロファージ療法
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)はメラノーマ診療に革新的な進歩をもたらした。しかしその奏効率は未だ十分ではない。ICI無効のメカニズムとして、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が少ないこと、腫瘍のPD-L1やHLA class Ⅰの発現低下等が挙げられ、腫瘍微小環境(TME)を変えることがその解決策と考えられる。我々はICI無効例を有効例に変える手段として、遺伝子改変iPS細胞由来マクロファージ療法(iPS-MP)の開発を行う。治療細胞のソースとしてiPS細胞を用いることで、遺伝子改変し免疫調整機能をデザインした細胞を無限に得ることができる。iPS-MPは腫瘍内に遊走し、抗腫瘍サイトカインを産生し、TMEを変えTILを増加させる。本研究ではマウスモデルにて種々の遺伝子改変によるiPS-MPの抗腫瘍効果およびそのメカニズムを解析し、ICIとの併用効果、または臨床応用のための安全性の検討を行う。
船越 建(慶應義塾大学 准教授) 250万円
乳房外Paget病 in situ病変の病態機構の解明と新規治療法開発
乳房外パジェット病(EMPD)は外陰部などに発生する腺がんで、発症初期は長期にわたり表皮内がん(in situ)のまま水平方向へ広がる。EMPD in situ(EIS)の根治的治療は広汎な皮膚切除を要し、機能面を含めてQOLが損なわれるため、EISを消失させる効果的な外用剤の開発が求められている。しかし、EISの細胞株やモデルマウスはなく、その病態は不明である。申請者は予備実験で、EISの1細胞RNAシーケンス(scRNA-seq)解析を行い、Paget細胞特異的に高発現する遺伝子群、EMPDの細胞起源の候補を明らかにした。本研究では、EISのscRNA-seq解析・全エクソーム解析を行い、Paget細胞と腫瘍微小環境の相互作用、Paget細胞の遺伝子異常、EMPDの細胞起源を明らかにし、EIS新規治療法を開発する。そして、EIS組織やEISオルガノイドに投与し、その治療効果を検証する。
渡邉 美佳(北海道大学 助教) 250万円
皮膚疾患の統合的理解における上皮幹細胞記憶の役割
本研究は皮膚疾患における「上皮幹細胞記憶」に焦点を当てるものである。申請者は、毛包上皮幹細胞が創傷による記憶を正常部位でも保持し、皮膚癌発症を促進することを発見した。創傷記憶はクロマチンリモデリングとゲノム不安定性に関与している。同様の細胞記憶が炎症性・代謝性疾患でも存在すると考えられ、それらは疾患形成に寄与している可能性がある。本研究では皮膚を場とし、上皮幹細胞記憶が難治性創傷、炎症性・代謝疾患といった様々な疾患形成に果たす役割を明らかにする。遺伝子改変モデルマウスを用い各種上皮幹細胞の系譜細胞を可視化し、疾患における幹細胞動態や遺伝子発現変化、クロマチン変化を解析する。クロマチン変化は長期に渡って維持されていると考えられ、これが疾患形成に影響している可能性は高い。これによってクロマチンリモデリング因子の発見に繋がり、皮膚疾患の再評価と全生涯段階にわたる疾患発症の理解が期待される。

高木賞臨床研究奨励賞

*先生のご所属は、ご応募当時となります。

氏名・所属/研究題名/研究概要 助成金額
岩永 聰(長崎大学病院 助教) 50万円
弾性線維性仮性黄色腫の病態メカニズム解明に向けたmRNAシークエンス解析研究
弾性線維性仮性黄色腫(Pseudoxanthoma elasticum:PXE)は、弾性線維に変性・石灰化を生じ、皮膚や眼、心血管、消化管などに障害をもたらす常染色体潜性の遺伝性疾患である。現在のところ、PXEに有効な治療法はなく、重症度や予後を規定する因子も明らかではない。そのため、有症状者の進行や予後を予測することはできず、対症療法を行うほかないことが現状である。申請者は2010年より長崎大学で200人を超える日本人PXE患者の遺伝子変異の解析および疫学調査を行ってきた。本研究では、これまで行ってきた疫学調査の結果や遺伝子変異の解析結果およびトランスクリプトーム解析によるABCC6遺伝子を介したシグナル伝達ネットワークモデルを構築し、病因分子を特定することにより、病態メカニズムの解明、治療法の開発を目指している。
木下 真直(山梨大学 臨床助教) 50万円
SJS/TEN早期迅速診断キット開発とオールジャパン体制の構築
重症型の薬疹であるStevens-Johnson症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)は、発症後8日以内に基幹病院へ搬送し、急性期を逃さず治療介入しなければ救命しえない(致死率約25%)。発症初期にステロイドパルス治療を含む集中治療を必要とするが、初期の皮疹からは通常の薬疹とSJS/TENの鑑別が難しく、適切な診断を下せないのが、臨床上の重要課題となっている。そこで本研究では、近年我々が報告した好中球のneutrophil extracellular traps(NETs)形成によるSJS/TENの発症病態に基づき、血清あるいは尿を用いた発症早期の迅速診断キットを開発すること、さらに臨床性能試験へ向けてオールジャパン体制を構築することを目的とする。
小亀 敏明(京都大学 特定講師) 50万円
円形脱毛症におけるMZB1陽性細胞が病勢マーカーとして機能し得るかの検討
円形脱毛症(AA)は長らくCD8陽性T細胞とTh1サイトカインが中心的な自己免疫疾患と考えられていた。一方、近年Th2サイトカインの重要性が再考されより複雑な病態であることが認知され始めた。しかし依然B細胞の関与を決定づける詳細な研究は存在しないため、現在AAとB細胞の関連は否定的である。しかし我々は皮膚局所のB細胞の機能解析をする中でMZB1やJchainと呼ばれる分泌型IgAの形成に関与する因子の発現がAAの病理組織像で多数観察されることを確認した。また、SLEを始めとする複数の自己免疫疾患でMZB1陽性細胞の多寡が病勢マーカーになり得ることが近年報告され始めている。よって我々はAAにおいてMZB1陽性細胞がどのような病勢マーカーとなり得るか、またどのような機序でこれら細胞が誘導されるか病理組織を用いて疫学的検討を行う。
中村 謙太(信州大学 助教) 50万円
加齢に伴うがん関連線維芽細胞のCXCL12とCCL5を介した腫瘍免疫抑制の解明
メラノーマの抗PD-1抗体療法の効果増強が急務である。私は、がん関連線維芽細胞がCCL5を産生し、腫瘍浸潤リンパ球を阻害し抗PD-1抗体療法の効果を減弱すること、血中のCXCL12とCCL5が低いと抗PD-1抗体療法の効果が良好であることを報告した。予備実験で、加齢に伴い線維芽細胞包のCXCL12とCCL5の産生が増加する傾向があり、高齢者のメラノーマでは腫瘍浸潤CD8陽性細胞が少なかった。マウス実験で、CXCL12とCCL5を阻害すると腫瘍浸潤CD8陽性T細胞が増加した。そこで加齢に伴う線維芽細胞からのCXCL12とCCL5の産生増加が、腫瘍免疫応答を抑制するか臨床検体の解析を行う。また、加齢や阻害実験によるマウス実験で、抗PD-1抗体療法の治療効果との相関を明らかにする。CXCL12とCCL5の阻害を図ることで、様々ながんで使用される抗PD-1抗体療法の効果増強に結びつけることを目指す。
乗松 雄大(国際医療福祉大学 助教) 50万円
皮膚疾患におけるキャピラロスコピー所見の検討
キャピラロスコピーは、毛細血管の状態を非侵襲的に観察する検査であり、全身性強皮症を中心とする膠原病領域で主に使用されてきた。研究代表者はこれまでキャピラロスコピーを用いた研究を行っており、キャピラロスコピー画像から毛細血管数、Nail fold bleeding(NFB)数をカウントするツールを独自開発した。東京大学の研究グループと協力し、乾癬や掌蹠膿疱症など膠原病以外の皮膚疾患において、その有用性を明らかにしてきた。国際医療福祉大学へ異動後も、アトピー性皮膚炎や皮膚リンパ腫の患者においてキャピラロスコピー所見の異常がみられることを見出し、重症度や病期を反映する可能性を発見している。本研究ではアトピー性皮膚炎や皮膚リンパ腫を中心に様々な皮膚疾患を対象として、キャピラロスコピーでみられる毛細血管異常やNFBと各疾患における重症度、EASIなどの臨床指標、血清中の炎症性サイトカイン値との相関を検討する。
原 正啓(泉中央皮ふ科クリニック 院長) 50万円
皮膚科診療所における尋常性疣贅治療の疫学調査
尋常性疣贅(以下疣贅)は皮膚科診療において“ありふれた”皮膚疾患である。患者の数も多く、診療報酬的に貢献度の高い疾患とも言える。ただ治療に難渋する例も多く、皮膚科医にとっては悩ましい疾患でもある。我々皮膚科医は、より有効性の高い疣贅治療法の開発を渇望している。治療に対する反応性には個人差や部位差が大きいことは、日頃感じていることであるがデータ的裏付けは乏しい。治療抵抗性疣贅の病態的特徴の把握が、治療法の開発に必要と考えられる。今回、疣贅の発症年齢や部位別の治療に対する反応性を疫学的に調査し、難治性疣贅の疫学的特徴を明らかにしたい。
前田 拓哉(北海道大学 助教) 50万円
ボリコナゾール誘発有棘細胞癌検体を用いた早期有棘細胞癌の層別化
有棘細胞癌(SCC)の多くはSCC-in situ(SCC-IS)の中央部より生じる。多くのSCC-ISはイミキモドの外用により治癒する低リスク群であるが、一部には局所免疫療法が無効で外科的切除が必須な高リスク群が存在する。現在のところ低リスクSCC-ISと高リスクSCC-ISを判別できないため、適切な治療を選択するのは困難である。本研究では、ヒト検体を用いてSCC-ISを層別化し、治療選択に資するバイオマーカーの探索を行う。具体的にはSCC、SCC周囲のSCC-IS、腫瘍から離れた部位の検体をwhole exome sequencing及び免疫染色で評価する。SCC部位を高リスク、SCC-ISを低リスク部位と捉えてそれらを解析する。抽出されたバイオマーカーがリスクの層別化に有用かどうかを別セットのSCC-IS検体を用いて検証する。
桃原 真理子(名古屋大学 助教) 50万円
Immunoprecipitation-liquid chromatography-tandem mass spectrometryを用いた自己抗原の網羅的解析
皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性強皮症、全身性エリテマトーデス、血管炎などの膠原病は、疾患特異的な自己抗体の同定を産生し、その種類を同定、分類することは診断や予後予測に非常に有用である。いままで細胞内自己抗原の精製が煩雑であったため一定数以上の陽性率がある自己抗体が優先して同定されてきた。微量の生体サンブルからベプチド化したタンバクを定量し膨大なデータを解析することが可能なLC-MS/MSによる解析を用いて、免疫沈降法(immunoprecipitation)によって回収された自己抗原タンバクを解析し、各疾患において、①既存自己抗原の定量による病勢予測、②新規の自己抗原同定、③血管内皮などの細胞種特異的自己抗原の同定など、網羅的、疾患縦断的に検索を行うことで、新たな疾患の診断や予後予測ツールの開発を目的とする。
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